臍の中心
2007年 01月 25日
臍のようにつかむ
生きていることの中心
それは長々と詩論を重ねることではなく
理屈のしっぽの先をつかむことでもなく
たとえば赤ん坊の口におっぱいをふくませるような
子どもに紙ヒコーキを折ってやるような
ごはんを作ったり洗い物をしたりするような
けれど、それらをはっきり位置付ける言葉はなく
けれど、それらは気がついたら
一日のいろいろなところにあって
わたしはそれらの一部なんだと思わせるような
そんなものだ
幸せになったり
悲しくなったり
失望したり
喜んだり
それらを臍の中心に据えて
下からぐっと引っ張る
力いっぱい引っ張ったところで
痛みをこらえていると
それらが生まれてくる所も
死んでゆく所も
同じなのだということがわかる
そして、臍の中心でわたしは叫ぶ
幸せや悲しみや失望や喜びの一つ一つに
右往左往しないで
臍の中心にぶら下がっていようよ!
と
わたしたちは
そうたやすく死なないよ
なぜなら、臍の中心は
簡単には切れてしまわないからね
by hannah5 | 2007-01-25 23:46 | 作品(2004-2008)