人気ブログランキング | 話題のタグを見る

雪崩れる日まで   


三杯目のコーヒーをおかわりする頃
いくつかのメールが飛び込んできて
明日からまた旅に出ます
という話が添えられていた

思いが沈み込んでしまうような棲み家の片隅で
こんなはずじゃなかった
こんなはずじゃなかった
という読経が流れてくる

ワナにはめられたんだと思う
無意識のうちに上手に誘い込まれて
気がついた頃には
四方を扉ですっかり囲まれてしまっていた

Push and pull!
Push and pull!

Pull and push!
Pull and push!

扉はビクともしない

とうの昔に時間切れになってしまったから
今更ながら更新してみても
歴史のページを新しくすることはできない

どこで道を踏み間違えたか

やり切れないほどの暗闇が
音もなく忍び寄り
私は背後にその気配を感じて
一歩引く
一歩引く
また一歩引く

君はいつだって
石橋を叩いても渡ったためしはなかったじゃないか
私なんぞは石橋を叩く前に
跳んではねて
渡ってたんだよ

それなのに今はどうだ
立場が逆転したね

ケージに閉じ込められたマウスと同じさ
最初は調子よくおだてられて
優しい声に誘われてついて来たんだが
辿り着いた所は
逃げることも飛び出すこともできないケージの中

その間 君は
笑顔ひとつ残して
さっさと行ってしまった
私が届かない遠くて高い向こう側へ

地べたを這うようにして待っているよ

またいつかのように
時が破れて
季節が雪崩れていく日がくることを

by hannah5 | 2007-11-06 23:51 | 作品(2004-2008)

<< ももち 私の好きな詩・言葉(114) ... >>