雪崩れる日まで
2007年 11月 06日
三杯目のコーヒーをおかわりする頃
いくつかのメールが飛び込んできて
明日からまた旅に出ます
という話が添えられていた
思いが沈み込んでしまうような棲み家の片隅で
こんなはずじゃなかった
こんなはずじゃなかった
という読経が流れてくる
ワナにはめられたんだと思う
無意識のうちに上手に誘い込まれて
気がついた頃には
四方を扉ですっかり囲まれてしまっていた
Push and pull!
Push and pull!
Pull and push!
Pull and push!
扉はビクともしない
とうの昔に時間切れになってしまったから
今更ながら更新してみても
歴史のページを新しくすることはできない
どこで道を踏み間違えたか
やり切れないほどの暗闇が
音もなく忍び寄り
私は背後にその気配を感じて
一歩引く
一歩引く
また一歩引く
君はいつだって
石橋を叩いても渡ったためしはなかったじゃないか
私なんぞは石橋を叩く前に
跳んではねて
渡ってたんだよ
それなのに今はどうだ
立場が逆転したね
ケージに閉じ込められたマウスと同じさ
最初は調子よくおだてられて
優しい声に誘われてついて来たんだが
辿り着いた所は
逃げることも飛び出すこともできないケージの中
その間 君は
笑顔ひとつ残して
さっさと行ってしまった
私が届かない遠くて高い向こう側へ
地べたを這うようにして待っているよ
またいつかのように
時が破れて
季節が雪崩れていく日がくることを
by hannah5 | 2007-11-06 23:51 | 作品(2004-2008)