今日の優しさ   


冷たい夜がしんしんと広がっている
その夜の底をひそひそと歩く
冷たい空気を攪拌するように歩いていると
静まった暗闇の中で心を落としそうになる

今日あったこと
きのうあったこと
人と人がもつれたこと
私がそこに絡まってしまったこと
小さな悲しみがぷつりと湧いてきて
じっと見つめていると
ぽろり、と落ちる音が聴こえてくる

この道をまっすぐ行くと下り坂になる
放っておくと 落ちた心は
坂道を転がっていって排水溝に落ちてしまう
排水溝に落ちたら その先はどぶ川で
その先は海だ

夜の底で
落ちそうになる心をひしと抱えて歩く
喉元に上がってきた塊が ぽろりと
坂道を転がっていった
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by hannah5 | 2007-12-26 23:42 | 作品(2004-2008)

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