時計が十二時を打ったら
2007年 12月 30日
猫のように床にうずくまる
板張りの床はひんやりと寒くて固い
だが 椅子に座るより自由で
魂が居つくにはちょうどいいようだ
床の上で眼をつむっていると
時間がゆっくりと廻転していく
今まで聴こえていた街の音が少しずつ小さくなり
やがて完全に消滅する
それからわたしはあくびを一つして
ゆっくりと手足を伸ばした
音の途絶えた夜の一隅に小さな亀裂ができ始めていた
一つ さらにもう一つできた
亀裂は次々とでき
やがてある時 突然 夜のいたる所に広がった
冷えた体を丸め
亀裂の中を覗きこんでみる
きのうの出来事を広げてみた
小さないらだちがぶつぶつの泡となって広がっている
ところどころ腫れている
不快指数が高くなりそうな気配なので
きのうの出来事をたたんだ
半年ほど前の出来事を広げてみた
あの時の青い空は長く続かなかった
晴れのちくもり やがて雷雨になった
きょうは乾いた雲が広がっている
半年ほど前の出来事をたたんだ
明日の出来事を広げてみた
きょうまでの出来事の片隅に明日の予報が小さく載っている
くもりときどき晴れのち雨のち・・・・・
その先がよく読めない
明日の出来事をたたもうとした
が たためなかった
深夜の底で
出来事を広げたりたたんだりしている
冬の夜が猫のように忍び足で歩いている
(12/31 全面的に書き直しました)
by hannah5 | 2007-12-30 23:45 | 作品(2004-2008)